雲見ナビ虎の巻

投稿日時2011/08/24 16:23コメント(9)トラックバック(0)カテゴリスキル固定リンク編集削除
雲見ナビの虎の巻をUPします。
これは、moguring企画とは別に、私が今年の1月にリーダー研修会事前学習資料として
作成した物です。
                                 2011年1月吉日
                                   しんちろ
雲見リーダー研修会事前学習資料
既にダイビングに親しまれている皆様ですから、これから書く内容については、
ご存知の方ばかりだと思います。しかし、折角のリーダー研修会ですので、
改めて、復習の意味を込めて、本資料を作成しました。
お役に立てれば、幸いです。
ダイビングをする際、幾つか注意事項があります。
1)個人のダイビングスキルの向上
⇒これは、個人個人がされていると思いますので、割愛します。
しいて言えば、自分にあった器材を使用する事。
友達が使っている、なんとなく格好良い、うまそうに見えるとかくだらない理由で
器材を選ぶと事故の元です。器材にはそれぞれメリットデメリットがあります。
自分のスキルを冷静に見直し最適な器材を選ぶと良いでしょう。
自分にあった器材を人に勧めるときも注意しましょう。
相手は、自分と同じスキルではないですし、必ずしも同じ器材がその人にあっているとは限りません。最初に言ったとおり、自分にあった器材を使わないと事故の元です。
メリット、デメリットを伝えたうえで、本人が選ぶのが一番だと思います。
2)セルフダイビングでの心構え
自己責任です。それは、責任を他人に転嫁しないというマイナスイメージな事ではなく、自分の事は自分で守る。また、バディーについても最大限の安全管理をする。
ということです。
では、具体的にどういうことかというと、安全に楽しくダイビングを行うために、最大限の準備を行うと言う事です。それは、

・安全で快適な装備を揃える
・体調を万全に整える。(深酒をしない、準備体操をする、体調に不安を感じたら無理
 せず潜らない勇気を持つ等々)
・その海を潜る為の最大限の知識を身に着け、状況判断をし海に入る。
僕は、これが一番大事で、一番欠けている(奥が深い)事だと思っています。

ダイビングにおける海況、器材トラブルは偶然はありません。突然発生した流れであってもそれは必然であり、あらかじめ予測及び対策することができます。セルフダイビングでは各自がそれを予想しうる限り事前準備し、潜ることが肝要です。決して他人任せにしないように。経験の有無によりリスク回避の事前準備に差が出てくると思います。それでも、各レベルにおいて最大限の準備をすることが自己責任の意味です。この事前学習資料では、各レベルの知識の穴を埋めるべく、作成してみました。

今日ここでは、海に潜る為の知っておくべき知識について、雲見を例に取りながら色々な海で応用できる知識を公開したいと思います。

雲見を潜る為の知識

大瀬崎の湾内などを潜っていると、さほど気にしなくてもいいかもしれませんが、雲見などのケーブダイビングを行う際、先ず最初に気にしなければいけないのが、深度と浮力です。
それは、マルチレベルダイビングになってしまうからであり、たとえば、
・△穴から入るためにBCの空気を抜いて穴に入った。穴の中で巻き上げないように再度BCに空気を入れ中性浮力を取った。Hの穴から外に出る際、深度が浅くなっていることに気付かず、急浮上
・子牛の洞窟で巻き上げないように中性浮力を取る為にBCに空気を入れたが、入れすぎて穴の天井に張り付き身動きが取れなくなった。
・エグジットの際、リーダーよりフロートを上げだしたら、5mラインで安全停止をしてくれと言われたのに、一向に6m以上に中性浮力が取れず、安全停止が終わらなくて、迎えに来た船を待たせてしまった。
・雲見の外側は深いのに楽しみすぎて、いつものクセでNDL5分を切るまで遊んでしまった。結果、安全停止に入る頃にはDECOが出てしまい、減圧停止の為に時間を要し迎えの船が帰ってしまった。
・ロクハンの5m以浅の急激な浮力を制御できず、安全停止が出来ず急浮上
等があります。
あとは、複雑な地形の為、迷子や他の人とはぐれてしまう。真っ暗な洞窟の中でライトが切れてパニックになる。穴の中で巻き上げ視界ゼロになってパニック等々があります。
予備のライトを持つ、巻き上げない泳法を身に付ける等は事前の準備でできます。
また、洞窟に入る際にコンパスで方向を確認しておいた方がいいでしょう。巻き上げて視界を奪われても、コンパスで出口まで帰ってくることが出来ます。
これらは、事前にリスクを承知していれば、防げる事故です。頭に入れておき対処方を準備してから潜りましょう。
リーダーをする際、後続の人をどこで待つか気をつけなければなりません。
穴に入っている際、穴の中で、後続を待つと、スタック(糞詰まり)になり、確認できないばかりか、身動きが取れないような事態にもなりかねません。見失わない程度(分かれ道などがない場合は出口まで)に移動してから待つようにするべきです。(その際の合図を決めておきましょう)また事前のブリーフィングでも周知徹底しておきましょう。出口で待つことにより、他チームが穴に入り更に糞詰まりになることも防げます。
また、マルチレベル及び平均深度が深い為、NDL管理、残圧管理はこまめに行なう必要があります。1ポイント(Hの出口、24アーチ、26アーチ、縦穴入り口、小穴、大穴、軍艦)毎に残圧、NDL管理をするくらいで丁度いいと思います。

また、地形は深度と併せ地図を頭に入れておきましょう。
しかし、雲見の場合マルチレベルですので、平面の地図ではイメージが付かないかもしれません。
私は、雲見はナチュラルナビ7割、コンパスナビ3割だと思っています。
やはり、最初はポイントを知っている人と潜り知識を盗むのが手っ取り早いと思います。
次に、海を潜る際に気をつけるべきことに流れや波があります。
その日その日の流れや波を考慮に入れながら、ライン取りを考えましょう。
1)エグジット場所が決まっている場合、ダイビング前半は流れに逆らうようにライン取りし、
後半は、ドリフトするようにする。後半流れに逆らうようなライン取りは、エアの消費、疲労、
エグジット場所までたどり着けない等様々なリスクが生まれます。
2)波、うねりは、深度を深く取れば、軽減される。
しかし同時に、DECOの危険性、水面浮上時の危険性が付きまとう。地形を把握し、エグジットまでの
深度プロファイルと、エグジット場所の安全を確保する。
3)深さによって流れが逆になることもあります。バディーとは同じ深度をとるようにしないと、はぐれるもとです。
4)海況を判断する際、表面に波が見られない場合は注意が必要です。そこには、流れが発生している可能性があるからです。海を見て筋の様に波の無い所が見えたら、そこは潮目です。

次の項で、流れの発生メカニズムについて詳しく解説します。

潮流と風
伊豆で潜っている時に、今日は東風が強いからIOPはクローズとか西風が強いから雲見はクローズとかいうことがありますよね。
それは、オンショア(海風)による物です。逆にオフショア(陸風)の時、風は波を打ち消してくれて、海面は荒れません。しかし、これは海面に限っての話しです。ダイビングしていると、表層と、海底で流れが逆って事、良くありますよね。
そこらへんについても、説明します。
潮流
流れに大きく影響しているのが、月と太陽そして風です。です。潮の干満(潮汐)は皆さん知っていますよね。
それによる流れを潮流といいます。干潮から満潮に向かって、潮が満ちてくる事を上げ潮、逆に満潮から干潮に向かって潮が引いてくる事を、下げ潮といいます。
満月、新月等、月と太陽と地球が一直線に並んだ時が一番引力が大きくなり、大潮となります。
大潮の時は、干満の差が大きくなり、潮流も大きくなります。
岸から見れば、満潮時は自分の方向に満ちてきているのですから、流れも同方向にあります。しかし、対岸でも満ちてきているわけですから、対岸は逆方向の流れが発生しています。つまり、潮汐による流れる方向は、ダイビングポイントによって別々であり、
逆に言うと、ダイビングポイント毎に決まっていると言う事です。
満潮時、岸から見れば自分の方向ですが、たとえば、牛着岩はどうでしょうか?
全方位から満ちてきています。牛着に限らず、島の場合潮流は、月の位置と地形に
よって決まります。現地のガイドにこのポイントの潮汐による流れの変化を聞いておく事を忘れないようにしましょう。

海流
 海流(カレント)である黒潮からの分流が相模湾、駿河湾に入っていきます。伊豆の場合黒潮が大きく北側へ蛇行するとかなり強い流れとなります。
 それとは別に、潮汐の干満で起こる潮流があります。潮流は大潮・小潮によっても変わるし、1日のうちでも上潮と下げ潮で向きが変わるし、流れの止まる時間帯もあります。
 海流と潮流の方向がいっしょだと、とてつもない流れになります。また、互いに打ち消す方向になれば相殺されることもあります。

次に風について勉強します。

風が吹くパターンは概ね2種類。一つはサーマル(直訳すれば熱)と呼ばれる風、もう一つは低気圧による風です。

サーマル風
サーマルは水(海)と土(陸)で太陽による空気の暖まり方が違い、その気温差
で吹くもの。空気自体は直接熱源(太陽)により暖まりにくい性質があり接して
いる土や海水からのふく射熱で暖まります。
ここで水と土では同じように太陽あたっても土(陸)の方が早く熱くなる(これ
は物質の性質で難しい言葉で言うと熱伝達率・熱伝導率が違うということ)。
そうすると陸上の空気も熱くなります。熱くなった空気は膨張して比重(一定体積あたりの重さ)が軽くなるから空高く浮き上がります。
それが上昇気流です。空気が上昇しただけですと、陸付近は空気が無くなるので、
その分は海上の空気を引っ張ってくる力が働きます。つまり海風が吹きます。
それがサーマル風です。ちなみに陸上からの上昇気流は上空で冷やされて海上に下りてきます。
サーマルというのは最も予測しづらい風ですが、4月5月頃の春先のような気温変動の激しい時期程当て易い側面もあります。
まだ、肌寒い日が多い時期は当然水温も低い。そんな時期に天気はピーカンで急に気温が上がった日は超高確率でサーマルが吹きます。

低気圧による風
低気圧による風は、ご存知かと思いますが、圧力の高い物と低いものを同じ容器に入れれば混ざって容器内は均一圧力になろうとします。
地球が容器、高気圧が圧力の高い空気、低気圧が圧力の低い空気、とすればそれ
らは均一になろうと混ざり合うように動く。その動きが風です。
また、地球は自転により地上では北半球なら反時計廻りの渦の力が働くし、南半球なら時計廻りの力が働いているそうで、これは自然の摂理(コリオリの力)と言います。
しかも自転軸は太陽に対して斜めになった状態で毎日公転(太陽の廻り回ってる)ので
地上の同じ箇所でも太陽の当たり方は毎日変わるし変な渦の力(コリオリ)がかかるのでなお複雑な状態になっています。だから、地球の空気状態が均一になることは無くて必ず、高気圧と低気圧の両方がどっかにあるという訳です。

【低気圧による風向】
地上での風は高気圧から低気圧の向きに吹く。また、コリオリの力が働き風向きは反時計方向でカーブして吹きます。当然、高気圧ドップリでは気圧差がないから強風は吹かないということになります。
つまり、西高東低の気圧配置の冬は、西風が吹きます。気圧の谷がどこにあるかが風向きに大きく影響します。

【地形の影響】
さて前項で風向について述べましたが、これは大局的な空気の動きであって、実際の海岸地帯は
そんな簡単な話しではありません。
ここで日本地図を思い浮かべて下さい。
三浦半島の北西方向には丹沢の山々がります。北西の風はこの山を越えてまで吹くことはできません。
関東平野付近では上州の空っ風っていうのが上信越の谷間を通り抜けます。するとその風は関東平野を広がり東京付近では北風になります。
また、三浦半島東岸ではその北風は最後観音崎にぶつかりますが、丁度野比の谷があり、そこが風の通り道になっていて三浦海岸に吹き降ろしています。
同じく、静岡方面を見てみると、静岡は内陸に南アルプスがそびえ立っていて、やはり風を遮っています。よって静岡で北西の風は吹きようがありません。(ただし県西部程北西吹き易い)
ところが静岡では北西の代わりに西風が強く吹きます。これは関ヶ原を抜けた北西の季節風が太平洋に抜け、左カーブした結果なのです。
左カーブするのはコリオリの力のみならず、東西にそびえる南アルプスと駿河湾のへこんだ地形が風を吸い寄せています。

さて、このように関東と遠州灘では二つの大きな風の流れがあることは理解できたでしょうか?
実はここからが複雑なんです。

遠州灘を越えた西風は石廊崎(伊豆半島の先端)を通り、さらに進めば伊豆大
島、洲崎(千葉の先っぽ)まで達します。
これに対し上州→関東平野を通り抜けた北風は東京湾を南下しやはり洲崎、風向
が北東であれば湘南から海を越え伊豆大島や石廊崎に達します。
いずれにせよ、この2つはどこかで衝突しその場所で風の流れは止まりますが、その場所は両者の強弱バランスにより日々異なります。
よって三浦付近でバランスしてしまうと三浦は無風で御前崎は西強風、北東風が石廊崎を越えてしまうと御前崎は無風で三浦は北東強風、丁度いいバランスだと三浦は北風強風で御前崎は西強風となってしまうのです。
また、雲見は東側に天城峠を擁しています。
これが、東風を抑えてくれます。

これらの知識をもとに、最新の海況情報を入手し状況判断をして海に入ることが大事です。
安全で、楽しく、アドベンチャーなダイビングをしましょう。




・海上保安庁の、海洋速報&海流推測図
 というページは海流の情報を得られます。
海洋速報は毎週水曜日に、海流推測図は毎週金曜日に発行されます。
海の動き>海洋速報&海流推測図 とたどってください。
 http://www1.kaiho.mlit.go.jp/  

・静岡県水産技術研究所提供による 一都三県海況速報
http://fish-exp.pref.shizuoka.jp/

--MEMO--------------------------------------------------------------------------
この記事へのコメント
投稿日時2011/08/27 12:20固定リンク編集削除
しんちろさんから伝授していただいた、セルフで雲見を潜る場合の注意事項と各ポイントについて、以前簡単にまとめたものがあったので貼り付けておきます。初めてセルフで雲見を潜る方や、久々にセルフで雲見を潜る方がざっと目を通しておくと良いかもと思われる基本事項です。

訂正等、お気づきの点や補足事項がありましたらコメント願いますひらめき

そして、雲見キラーしんちろさん、いつもありがとうございますハートたち(複数ハート)


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セルフで雲見を潜る場合の注意事項
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■潜るポイントまでボートで連れて行ってもらって、ENポイントで落としてもらい、EXポイントで拾ってもらうが、船の航路になっているので、注意する。ブイがあるポイント以外でEXの際はフロートを上げて安全停止をしてから浮上。
■DECOを出してEX時間を延ばしたりすることのないよう、水深管理をきちんとする。洞窟内では水深は調整できないので、アーチや洞窟までの移動中に少し水深を上げるなどして調整するしかないことを頭に入れておく。
■AVEが深めになるコース取りをする時は、残圧管理は通常よりまめにする。通常のビーチと違い、ずっと深めでEXポイント地点で20mから5mまで浮上して安全停止という場合が多いので、その時のコースで自分のエアーがEXポイントまでの深度ルートで持つのかをきちんと計算する。
■ポイントによっては真っ暗闇で狭いといった閉所恐怖症の人がパニックを起こすような場所があるので、事前に必ず確認する。
■狭い洞窟や穴に行く場合は、ブリーフィングの際に先頭・後続の人との距離についてや、合図の仕方について決めておく。



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各ポイントについて
------------------

====牛着岩=====

岸から沖のほうを見ると、大小2つの大きな岩のある。左の大きい方が「大牛」、右手の小さい方が「小牛」。大牛と小牛の間にある隙間が「水路」。起伏の激しい地形でアーチやケーブが無数にある。

水中マップはこちらも分かりやすいかも。
http://www.ds-pureblue.com/diving/d_map.html

『△穴&水路洞窟』
真っ暗闇の部分があるのでライト必須。水路の中層を行くと、人一人しか通り抜けられない位の正三角形の穴があり、水路下の洞窟につながっている。ここから潜降する際は、既に穴に人がいないかを必ず確認してから潜降する。真っ直ぐに潜降して水底に到着すると、段差がある。自分が安全にその段差の所まで降りたら、次に潜降する人にその段差の辺りでライトで『次の人降りても大丈夫です』の合図を必ず送ること。
水路.jpg

『クレパス』
水路の洞窟を抜けたあたりに両脇が切り立った幻想的な隙間がある。△穴から潜降出来ない時は、水路の中層を抜けてここから潜降する。ボトム水深16mくらい。ライト必須。
クレパス.jpg

『Hの穴』
クレパスのちょっと北側にある2本の洞窟。この辺はいつもクロホシあたりの群れがグッチャリしている。ライト必須。

『子牛の洞窟』
狭い洞窟で、奥に向かって更に狭く、真っ暗になっていく。3人以上で潜る時は、先頭の人が後続の人が詰まらないように距離感を注意しつつ進む必要あり。奥まで行って来た通りに戻るが、狭いので後続の人は進みすぎないように注意する。砂巻上げにも注意。ライト必須。
子牛.jpg


『24のアーチ』
水路を抜けて切り立った岩を左手に見ながら北よりほんの少し西の方向に進むと、テングダイ、イシダイ、マツカサウオなどが住みついているアーチの岩がある。ボトム水深23mくらい。ここの上層は、色んな群れも楽しめる。
24.jpg

『26のアーチ』
24のアーチから230度くらいを目是して砂地を行くと、尖がった岩が見える。その横の岩に小さめのアーチがある。ボトム水深25mくらい。流れ注意。

『たて穴』
左右2つの入口があり、どちらから入っても、ボトム水深18mからTOP水深6mの水面に対して垂直に伸びるたて穴に続いている。ここを上る時は浮上速度に注意し、排気をしながらゆっくり過ぎるくらいの浮上速度であがっていくのが良い。人一人しか入れない穴なので、先に穴を登っている人との距離感を保つのも重要。ライト必須
たてあな.JPG

『大牛の洞窟』
三角のとても広い入口から、奥に向かって狭くなっている広くて開放感のある洞窟。
大牛.jpg

『軍艦』
大牛から西に位置する根で、大牛側に明るめのアーチがある。ボトム水深アウトサイド側26m、根のトップの水深が8mくらい。アーチの水深は24mくらい。魚影が濃く、マクロが充実、ソフトコーラルも綺麗。上層は流れに注意。


【牛着での注意事項】
・強く流れることがあるので、流れを意識したコース取りが必要。
・AVEが深めになるコース取りの場合は、残圧とDECOに注意。




====三競====

岸から牛着に向かって右側の崖沿いに行くと、おむすび岩と呼ばれる三角の岩があり、そこから潜行して南にむかうと、1番〜5番目と呼ばれる洞窟が並んでいる。個人的には三競3本でもいいかもってくらい面白い。

簡単な地図はこちら。
http://www.shimodadivers.com/about/sankei.html

『第3の穴(3番)』
真ん中の3番と呼ばれる洞窟は、複雑に入り組んだ地形で、いろんなルート取りが出来る縦長の洞窟。
漏斗を逆さまにしたみたいな形の入口の方から奥にはいって行き、突き当たると、上層の方で別の横穴に続いている。水深12mから4mくらいまであがって行く感じだったかと。その横穴を抜けると、エアドームに続いている。このエアドームは、タイミングが合えば太陽光のスポットライトが差し込んでとても幻想的。
3番は水深変化が激しく、ウネウネのときがあるので、エアドームに上がって浮上速度は要注意。
また上層から水底へ移動する潜降中に、耳は抜けていてもサイナス・スクイズ(副鼻腔にスクイズが起こって鼻を中心とした顔面に痛みを生じる)が起きる場合があるので、花粉症やアレルギー性鼻炎の人は気をつける。
3.JPG3?.JPG

『第4の穴(4番)』
V字型の洞窟で、向かって左側は狭く、向かって右側は大きな入口があり、奥で繋がっている。右側の方から入って、左側の狭いほうへ抜けるルートがよい。4番にもエアドームがあるが、その入口とエアドームに抜けるルートは真っ暗で人一人ギリギリ通れるくらいで非常に狭く、何か起きた時の対処がかなり制限されるので、的確なボディーコントロールと冷静な判断力が必要。ここのエアドームは閉所恐怖症の人は絶対無理。

【三競での注意事項】
・水深が浅く、上層がウネッていることが多いので、エアドームや穴を上がっていくときは、排気をして浮上速度に注意する。
・最大水深も12mくらいと浅めなので、その日の最後の潜水にする。
・ライトはメイン・サブの2本が必要。


写真をもっと貼りたいのですが・・・
ファイルを探す時間ができたら、貼り付けます。。。
投稿日時2011/08/27 22:25固定リンク編集削除
しんちろさん
詳細な虎の巻ありがとうございます!!
今回もしっかり役立たせていただきます!
今回の雲見、ある意味しんちろさんの「雲見リーダー研修会」が実を結んだ形ですね。
感謝です!
投稿日時2011/08/29 00:47固定リンク編集削除
おおっ、たまちゃん、kiyoshiさん素晴らしいフォローありがとうございます。
773さんに言われ研修会の時の資料をUPしたのですが、コメントは書き換えられるし、反応が薄いみたいでしたので、恥ずかしいのでこっそり消そうかと思ってました。

皆さんが活躍されていて頼もしく思います。
頑張ってね~(*^_^*)
投稿日時2011/08/29 20:14固定リンク編集削除
しんちろさん、たま姫さん、雲見詳細ありがとうございます。
潜るための知識、知らないことがほとんどでした(汗)

雲見合宿まで毎日読んで、しっかり理解したいと思います。
そして写真と注意ポイント付の個別詳細、とてもわかりやすく
助かります。

ほんと皆様の愛情に感謝しています。

投稿日時2011/09/06 21:30固定リンク編集削除
 風について、いくつか補足してしまいます。本筋から比べれば、大した話題でもないのだけれど。。。
なお、そこんとこおかしい、などお気づきの点がありましたら、遠慮なくご指摘くださいませ。
 以下、北半球の場合について書きます。

●コリオリ力について。
 北半球では、物体の運動方向に対して右向きに働きます。
 んと、赤道に立っている人が北極に向かってボールを投げると、右にそれていく。。。という感じです。
 コリオリ力は、物体の速度に比例して働き、だから速く動くものにはよりコリオリ力が働きます。

 もし、コリオリ力がないと。。。
しんちろさんが書いているように、高気圧→低気圧にむかって風は吹くから、台風って、外側から中心に向かってまっすぐ風が吹くことになる。

 コリオリ力があるから、外側から中心に向かって吹く風が右向きに方向が変わり、台風は反時計回りの風でぐるぐるしちゃうんですね。
以前から気になってますが、→台風
は、実は台風ではありません(蛇足でした)。
 
 コリオリ力は、地球のどこでも同じではなく、赤道でzero、北極や南極で最大になります。
 で、台風はコリオリ力がないと発生しないので、赤道近辺で発生しません。北緯10度くらいからコリオリ力が十分に働いて発生します。 これホントだよ〜、ってこのコメント、全部本気モードで書いてますがあせあせ(飛び散る汗)

 ちなみに台風は、地上5キロあたりまでは中心に向かって反時計回りに風が集まってきます(収束)が、それより上層では時計回りに外にむかって(高気圧のように)吹き出しています(発散)。

●海洋エクマン層 
 コリオリ力は、海の中にも作用していて、コリオリ力が影響する海面から水深100mくらいまでを、海洋エクマン境界層っていいます。

 海洋エクマン層では、海面上の風に対して海面表層の流れは右に45〜60°の方向になります。さらに、水深とともに時計回りに向きが変わり、流速は遅くなります。

 それで、こんな作用があるから、例えば南米ペルー沖では西向きの表層海流ができてて、ペルー沿岸では下から冷たい水が湧き上がり(湧昇ゆうしょう)。。。
地上の風が弱くなると、冷たい水の湧昇が弱くなってエルニーニョが起こる。
その逆の場合は、湧昇が強くなり全体的に寒暖差が大きくなってラニーニャが起きます。
 そこで昨年のようなラニーニャが起きてると、日本では猛暑と厳冬になります。

●海陸風(かいりくふう)
 海風(海から陸地に向かって吹く)は日の出3〜4時間、陸風(陸から海に向かって吹く)は日の入り1〜2時間で始まります。海と陸上の温度差が大きいと強くなるけれど、雨がふって陸地が湿ってたりすると暖まりにくく、海陸風は弱くなります。
 大抵は、海風が風速4〜7m/s、陸風のほうが規模も速度も弱く3〜4m/s。

んで、海陸風の大きいのがモンスーン(季節風)。 夏になって、インド洋上から大陸に向かって吹く海風がどどーんとでっかくなってモンスーン!

●上昇流と下降流
 記事の「地形の影響」のところにあるように、地形にさえぎられてというのはありますが、上昇流なのか下降流なのかによっても遮られる度合いは少々かわってきます。 また、気圧配置によって風向はかわるし。。

 以上、長文失礼しました〜。
もし気象に興味がわきましたら、貴方も貴女もお一ついかがですか? KY(空気を読む)学習。。。ぴかぴか(新しい)
投稿日時2011/09/07 11:13固定リンク編集削除
さすがKY!(気象予報士の事です)
詳細情報ありがとう御座います!!
投稿日時2011/09/25 23:26固定リンク編集削除
貴重な情報ありがとうございました!
下げ潮であんなに流れるとは思わなかったので、いい勉強になりました。
またよろしくお願いします
投稿日時2011/09/26 21:22固定リンク編集削除
りんこちゃん
牛着の外は流れることがよくあるので、よく勉強してから潜ろうね。
投稿日時2011/09/26 21:28固定リンク編集削除
りんこちゃん
牛着の外は流れることがよくあるので、よく勉強しながら潜ろうね。
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